TB1 for Windows 壁体の断熱性能評価 ソフトウェア
TB1 for Windowsのご紹介
省エネ基準では、住宅の外皮の熱貫流率は平均熱貫流率で表わされます。(エネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準の一部改正、平成28 年1 月29 日)省エネ基準の平均熱貫流率は、外皮からの貫流熱率と熱橋(構造部材、下地材、窓枠等)からの貫流熱率で構成されています。上記の熱橋とは線熱橋でその熱貫流率とは線熱貫流率のことですが、熱橋は外皮にも含まれています。そのため、外皮の貫流熱は、外皮を構成する材料の種類及び厚さ、熱橋により貫流する熱量等を勘案して算出すること、とされています。外皮に含まれる熱橋とは、熱が外皮を貫流する方向に含まれる熱を通しやすい材料や構造をいいます。外皮に熱橋が含まれていると、断熱力が低下して貫流熱が大きくなったり表面温度が低下したりして、断熱性能や居住性能の低下をもたらします。
TB1 for Windows は、外皮に含まれる熱橋を考慮した熱貫流率を計算する2 次元差分計算によるツールです。熱橋部の熱性能評価は、冬季の外皮の室内側表面温度の局部的な低下、結露、カビの発生等の温熱環境の劣化の診断にも必要です。そのため、TB1 for Windows は、実質熱貫流率(熱橋を考慮した熱貫流率)のほか、外皮内部の温度分布や外皮の室内側表面の最低温度等を表示する機能を有しています。TB1 for Windows は無料でダウンロードできます。動作保障と起動に関するサポートは終了していますが、現行のWindows で動かないということではなく、ユーザが実行可能な限り使用することができます。下図は、TB1 for Windowsの入出力インターフェイスです。
TB1 for Windowsのインターフェイス
モデル入力インターフェイス
モデル表示インターフェイス
物性値入力インターフェイス
TB1 for Windowsを使った実質熱貫流率計算例
以下の計算例の説明では、平均熱貫流率という用語を、外皮の断面構造が異なる部位毎に計算した熱貫流率をそれらの部位の面積で重みづけした熱貫流率という意味に用いています。また、実質熱貫流率とは熱橋を考慮した熱貫流率をいい、熱橋係数とは実質熱貫流率を平均熱貫流率で割った値をいいます。
熱橋係数は平均熱貫流率の割増係数です。熱橋係数が大きい場合は、一般的にいって、熱橋の影響を軽減する工夫が不十分です。このように熱橋係数は、断熱構造の良否の判定基準でもあります。熱橋係数が大きい場合は、断面構造を改善し、できるだけその値を小さくする工夫をすべきです。ここでは室温20℃、外気温0℃としました。この計算例の出力結果を下記に示します。
TB1 for Windowsでは、壁体の平均熱貫流率・実質熱貫流率・熱橋係数・各断面の熱貫流率が計算されます。平均熱貫流率の大きな壁体は断熱不足であり,実質熱貫流率の小さい壁体ほど省エネルギー効果が高いことが分かります。壁体内部の温度分布は等温線によって表現され,室内側表面の最低温度点とその温度が示されます。
この計算例では,鋼材に挟まれた空気層の室内側表面の位置に15.5℃の最低温度が現れています。室内空気の露点温度が壁体の表面温度よりも高いと表面結露が発生します。また,20℃の空気は相対湿度75%で露点温度が15.5℃となります。よって,この場合室内相対湿度75%以上で表面結露が発生する結果となりました。
TB1 for Windows ダウンロード案内
こちらからTB1 for Windowsを無料ダウンロードすることができますが,以下に示す使用許諾契約の内容に同意し、入力フォーム画面に必要事項を入力した場合に限ります。同意していただけない場合には無料ダウンロードを行うことはできません。
TB1 for windowsの使用許諾契約書(PDF)